書道家 飯田峰空 喜怒哀楽

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2018/05/24

「虚線」って言葉があるんです。

 

一画と一画の間をつなぐ、紙から筆が離れている時にえがかれている線で、
空を舞う線、だから虚線と呼ぶのだと思います。

文字だと、本来の線と線の間、オフの線。
表に出て来ないもの。
呼吸だと吸うタイミング。

 

だけど、その空に筆が舞っている時の早さ、角度、ポジションが、次の線を生まれを決める。
目に見えなくても大切な瞬間なんです。
私はこの言葉と考え方が好きです。
虚線が豊かでありたい。
その動きをも作品に含めたいと思う。

 

これは、虚線を実際に書いてみた「来」です。
左右のはらいの虚線は、指揮者のタクトの動きを彷彿させるんですよね。