書道家 飯田峰空 喜怒哀楽

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2018/03/03

「勝負」に続き熟語シリーズで、終の字をもじがたります。
この字は、音楽のアウトロを味わうように書きたくなります。
名残惜しむように、少しづつ筆の速さをゆっくりさせていく感じです。

 

糸偏は崩さずに、一画一画カチッと丁寧に書いていく。

つくりの冬の部分は、流れを忘れないでつなげるように書きます。

中でも、点にみえる部分が多いので、

そこは全部同じ点にならないようにそれぞれに意識を向けます。

糸偏の三画目はしずくのように、

左右の点はきもち細長く安定感をもって。

冬の二点はひらがなの「こ」のように下の点が受け皿になるように書きます。

全てを静かに受け止める、懐の広さをこの一画から感じます。

 

始まって終わるより、終わって始まる方が

広がりがある気がするので、終わりの字を先に紹介しました。

次回は、<始>です。